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いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼル〈6月〜半年間限定展示予定〉

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼル(セパレートシート,昭和54年式) 館内展示

このたび当館では、いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼル(セパレートシート)の館内展示を開始いたしました。12月までの半年間展示予定です。夏休みや秋の三連休などに、どうぞご観覧にお越しください。【記事初出6月22日】

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの後面〜右側面

当車は福山市南手城町の中央ヂーゼル株式会社より譲り受け保存しているもので、当館がこのたび平成元年(1989)7月4日の開館より30周年を迎えるにあたりこれを展示し、ボンネットバスなど保存車両の点検・整備でも長年お世話になっているご厚意に感謝の意を表すものです。
使用期間は昭和54年(1979)からの約4年間と短いながら、かつて同社営業所があった三原市との間をほぼ毎日往復約80km走行されていたようで、総走行距離は93,500km超に及んでいます。

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルのバックドア開

フローリアンは、昭和42年(1967)11月のPA20型 4ドアセダン1600の発売から約15年間、58年(1983)4月の後継車アスカ発売までフルモデルチェンジなく販売され、その長いモデルライフに幾度となく車種・グレードの追加や整理、エンジンの換装や追加などマイナーチェンジが行われており、その変遷をここ上段で簡潔に記すことは難しいため、この記事の下段にて「いすゞフローリアンの変遷」を別記まとめております。ご参照ください。

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの前端部側面観

当車は、フローリアンのセダンとバンの2000ディーゼルが昭和54年排出ガス規制適合となった54年(1979)6月以降12月までの約半年間に製造されたもので、後期型に分類される角型4灯式・大型グリル装着のセダン[52年10月〜]と同じフロントデザインやインストゥルメントパネルへ変更となる直前の丸型4灯式・シルバーグリル(社章エンブレム付き)のバンです。
53年10月から1年あまりしか販売されなかったこの外観[51年9月〜52年10月のセダン1800スーパーデラックスと同じフロントデザイン]のバンは、残りが少ないフローリアンバンの中でも、異形角型2灯式の前期型バン[43〜45年式]に次ぎ希少となっているのではないかと思われます。

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルのエンジンルーム

製造者:いすゞ自動車株式会社 型式:K-PAD30V 初度登録年:昭和54年(1979)
長さ:430cm 幅:160cm 高さ:148cm 軸距:251cm 輪距:132cm
乗車定員:2[5]人 最大積載量:400[250]kg 車両重量:1160kg
原動機の型式:C190 燃料:軽油 配列・気筒数・弁配置:直列4・OHV
総排気量:1.95L 最高出力:62PS/4400rpm 変速機:フロア 前進4段・後退1段

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの昭和54年度排出ガス規制適合車ラベル

他の館内展示車両より車両周囲の空間を広めとしておりますので、ご来館時にどうぞじっくり撮影ください。なお、当車は内装などの保存状態を良好に保ちたいため、カギをかけておりますので、車内やエンジンルームの撮影もご希望の方は、ご来館時に館員へ開錠をお申し出ください。ただし、土日祝日やお盆前後・社会見学児童来館時など、来館者の多い繁忙日や時間帯には開錠に応じられない場合もあります。ご来館予定の数日前までに 当館Webページのお問い合わせフォーム よりご来館予定日時に対応可能かお尋ねくださると応じやすいです。
車内撮影ご希望の方は、フラッシュ(ストロボ)のご持参をおすすめします。

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの左側面

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの左側ドア開

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの後席

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの後席クッションはね上げ前倒し状況

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの荷室フルフラット状況

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの後部灯火類
上から尾灯・制動灯、反射器、方向指示器、番号灯(バンパー中央上)、後退灯(バンパー下)

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの車内前方
輸出対応可能な左右対称デザインのインストゥルメントパネルとグローブボックス
いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの運転装置と計器類

いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルに装着のタイヤ
現状装着のタイヤは165R13 8PR(ラジアル)、販売当時の標準は5.50-13 6PR(バイアス)
いすゞ K-PAD30V フローリアンバン ディーゼルの後部下回りとスペアタイヤキャリア


いすゞフローリアンの変遷
*バンに関する事項を青字で表記

昭和
40年(1965)2月 ベレル2000とベレット1500の中間クラスを企図した新乗用車の開発開始
 デザインをイタリアのカロッツェリア ギア社へ依頼
41年(1966)10月 プロトタイプを「いすゞ117 サルーン」の名で東京モーターショーへ出展

〈セダン前期型の時期〉
42年(1967)10月19日 フローリアン1600発表、11月1日発売、ベレルの後継車
 PA20型 1584cc 4ドアセダン 異形角型2灯式の前照灯 モデル構成はデラックス級3種
43年(1968)3月 クーラーなど標準装備の1600スーパーデラックスを追加、4月発売
 6月 1600バン PA20V型を追加 ガソリン1584cc コラム3速MT フルフラットにできる荷室
 タクシー向け営業車も追加 1600LPG・1500LPG・1600ガソリンの3種
44年(1969)3月 マイナーチェンジでセダン・バン・営業車の前後デザインなどを変更
 セダンに1600TS(ツーリングスポーツ)を追加 丸型4灯式 専用の黒グリル
 9月 セダンのスーパーデラックスとTSのエンジンを換装(G161型 OHV→G161S型 SOHC)

〈セダン中期型の時期〉
45年(1970)10月 PA30型 1800デラックスと1800TSを追加 丸型4灯式 共用の黒グリル
 1600バンもグリル変更 丸型4灯式に、エンジンはG161型 OHV 84psのまま
 営業車(タクシー)もグリル変更 丸型4灯式に、1500LPGは廃止
 12月 1600デラックスをマイナーチェンジ、エンジン換装(G161型 OHV→G161S型 SOHC)
 グリル変更 丸型4灯式に、1600スーパーデラックスと1600TSを廃止
 クーラー付きとオートマチック車を受注生産化
48年(1973)11月 セダンとバンのフロントターンシグナルランプなどを変更
 セダンの1600デラックスを廃止、1600LPG営業車(タクシー)は継続
 1800バン PA30V型を追加、G180型 OHV 1817cc 100ps フロア4速MT 丸型4灯式
 1600バンもコラム3速からフロア4速へ変更
49年(1974) 1800営業車と1600教習仕様車を追加?
50年(1975)10月 昭和50年度排出ガス規制適合、1800TSと1800オートマチックを廃止
 セダンの1800デラックスのエンジンを換装(G180S型→G180Z型)、12月発売
 1600バンのエンジンを換装(G161型→G161Z型 SOHC 94ps)1800バン廃止?
51年(1976)9月 昭和51年度排出ガス規制適合、セダンは1800スーパーデラックスのみに
 車体色はマルーンのみ、グリルの色を黒からシルバーへ変更(社章エンブレム付き)
 オーバードライブ付きフロア5速MT クーラーとAM/FMラジオを標準装備

〈セダン後期型の時期〉
52年(1977)10月 マイナーチェンジでセダンの前後デザイン変更 グリル大型化 角型4灯式に
 2000ディーゼル PAD30型追加、グレード構成は2000ディーゼル4種と1800ガソリン2種
 幅広バンパーの2000ディーゼル教習車も設定、クーラーは全グレードでオプション扱い
 グリル中央に馬マークのエンブレム、11月発売
53年(1978)10月 2000ディーゼルのバン PAD30V型を追加
 グリルの色を黒からシルバーへ変更(社章エンブレム付き)、前照灯は丸型4灯式のまま
54年(1979)6月 セダンとバンの2000ディーゼル 昭和54年排出ガス規制適合[K-PAD30(V)型]
 12月 セダンのインストゥルメントパネルなど変更(輸出対応の左右対称デザインを廃止)
 2000ディーゼルの噴射ポンプを列型から分配型へ変更、パワーステアリング付きを設定
 3速オートマチック車も設定(復活)、グリル中央のエンブレムを馬マークから社章へ変更
 バンもセダンと同じフロントデザインやインストゥルメントパネルへ変更
 バンは2000ディーゼルのみに1600ガソリンのバンは廃止
 ※54年12月31日時点のモデル・グレード構成[自動車諸元表1980年版による]
 セダン 1800ガソリン3種(うち1は教習車)・2000ディーゼル9種(うち2は営業車と教習車)
 バン 2000ディーゼル4種(4速か5速か、前席セパレートかベンチかの組み合わせ)
57年(1982)10月 生産終了、15年間の総生産台数 セダン103,211台 バン42,625台
58年(1983)4月 在庫販売ほぼ終了、セダンの後継車は同月発売の「アスカ」

バンの後継車は「ジェミネット」61年(1986)7月発売、スズキ 初代カルタスバンのOEM車
⇒「ジェミネットII」63年(1988)9月から約5年間販売、スバル 3代目レオーネバンのOEM車

【参考文献】
『自動車ガイドブック』第14巻-第29巻 社団法人自動車工業振興会/発行 1967-1982
『いすゞ技報』第51号(フローリアン特集号) いすゞ自動車株式会社/発行 1967
『いすゞ技報』第53号 p.91-97 田村匡ほか「フローリアンバンについて」1968
『いすゞ技報』第55号 p.106-120 高木公夫「新型乗用車シリーズの概要」1970
『いすゞ技報』第62号 p.64-73 三輪正眼「いすゞフローリアン ディーゼルについて」1978
『いすゞ技報』第64号 p.84-86 三輪正眼ほか「’80年型いすゞフローリアンについて」1980
『自動車諸元表 1980年版』社団法人自動車技術会/発行 1980
『いすゞ自動車50年史』p.284-285・374-375・381 いすゞ自動車株式会社/発行 1988
『別冊CG 日本車検索大図鑑:4』p.188-194 二玄社/発行 1994
『いすゞメモリアル 1953→2003』p.84-89 八重洲出版/発行 2008
『いすゞ乗用車 1922-2002』p.27-29・72-78 当摩節夫/著 三樹書房/発行 2013
いすゞ自動車のWebページ https://www.isuzu.co.jp/inquiry/acar_nam.html (生産台数)
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