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新館 能宗敏雄記念館の開館にあたり

 なぜ今、能宗敏雄記念館を開館させるのか?開館できたのか?
 私が大学3年生の昭和39年、米国カンザス州の片田舎ローレンスにあるカンザス大学へ、父 能宗敏雄(のうそうとしお 平成17年2月14日 90歳にて他界)と母 能宗道子(現在97歳)が、私費留学生として留学させてくれました。
 留学中にワシントンのスミソニアン博物館で日本の浮世絵を観覧し、また同館で枕時計や尺時計など日本では通常見ないもしくは見られない和時計を見て、それまで日本の博物館・美術館で見られるものは高額な丸山応挙だとか高名な画家のものだと決め込んでいたため、日本人の価値観との違いにカルチャーショックを感じました。
 私が福山へ帰った昭和41年当時、福山にマンションというものはなく、戸建て住宅は郊外ばかりに偏り、福山駅周辺は空洞化して人口が減ってきていました。将来のためにと思い、多少のリスクを負いながらも、私が代表を務める菊屋マンションでこれまでに11棟630戸の賃貸マンションを建設してまいりました。
 昭和54年から大黒町内の人たちに協力してもらい、日本初のアーケード撤去に始まる大黒町の街づくりに着手しました。福山城跡整備の願掛けにと胡町の土橋の脇に、住民による壱文寄進で願掛け橋もつくりました。
 福山自動車時計博物館開館前の昭和63年に広島県知事の竹下寅之助氏が来訪され、郷土資料館のようにどこにでもあるものでなく、福山市や広島県になく国内にもないような博物館をつくられたらというアドバイスをいただきました。また開館前に来訪くださったクラシックカー界の権威者、五十嵐平達氏からは、博物館は登録博物館でなおかつ財団法人でなくては、全世界のコレクターに起きている問題のように、次代にはコレクションが散逸してしまうと教えられました。
 十数年前、ドイツの時計愛好者7組のご夫婦が当館のホームページをご覧になり、広島市の原爆ドームと宮島の見学を兼ねられてご来館になり、当館のコレクションを高評価してもらえましたが、なぜ塔時計の展示がないのかとも指摘されました。塔時計と言えば札幌の時計台にしかなく、とても手が出ないと思っておりましたが、その方々から塔時計を譲渡してもよいという意向をお持ちの友達を紹介するというありがたいお言葉をいただき、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、アメリカ、チェコスロバキア、ブルガリアなどの国々から収集することができました。明治・大正時代には全国各地に時計台があったようですが、国産の塔時計は皆無に近く、札幌の時計台や京都の同志社彰栄館に伝わるアメリカ製のもののように輸入品がほとんどだったようです。
 福山自動車時計博物館の土地や建物は、私の父で初代館長の能宗敏雄が財団に寄付してくれたものであり、父が亡くなった翌年、追悼記念にイタリアから輸入した塔時計を動かす時計台を博物館の屋根上に増設しました。現在、福山市では北吉津町の日蓮宗法鏡山實相寺と大黒町の三木耳鼻咽喉科医院にもあり、当館と合わせて3か所あります。
 このたび新館として開館いたしました古民家は、福山市の東隣、岡山県笠岡市の富岡にあった明治元年(1868)築の木造2階建て商家を街づくりのためにと無償でご恵贈いただき、我々で土壁を落とし、木造の骨組みの解体や博物館本館東隣への移築組み立ては熟練の宮大工へお願いし、本瓦葺きは藤井製瓦工業、植樹は井原市の佐能松山園へ依頼しました。今後、城の堀を模した石垣も組む予定です。
 歴代の福山市長に、伏見町の突切り土手やお堀、多聞櫓などの復元を企図された方はいらっしゃいません。現市長はそれを目指されているようですので、その参考にしていただければと、このたび木造古民家を移築リノベーションした新館の竣工を急ぎました。
 ご来館の方々には、古材の骨組み、むくり屋根の本瓦葺き、なまこ壁、柳・松・桜の植樹などをご覧いただき、古いものや樹木を大切にし生かす意味を感じてくださればと、今日と明日の二日間は入館無料といたしました。
 入館料の代わりに、みなさまの率直なご意見をうかがえれば幸いです。
 今後とも当館の活動や街づくりへのご協力をよろしくお願い申し上げます。

 平成30年4月28日

公益財団法人 能宗文化財団
代表理事 兼 福山自動車時計博物館長
能 宗 孝
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