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福山市における路線バス運輸状況などの推移

2006年6月に中国バス、そして今秋10月には井笠鉄道(井笠バス)と、福山市内で一般乗合旅客自動車(以下、路線バスと略記)を長年運行してきた事業者が相次いで経営破綻し、また、今年3月末には鞆鉄道(鞆鉄バス)の花咲堂線・横倉線が運行終了となるなど、路線の休廃止・減便も相次いでいると伝えられることから、市内における路線バスの運輸状況などが一体どのように推移しているのか、統計書などをもとに調べてみることとしました。

福山市域における人口の推移グラフ【クリックで大きく表示】
福山市域の人口(合併前の4町域を含む現市域の人口)は上図のとおり増え続けており、人口増加に伴い路線バス利用者も増えていそうですが…

福山市における路線バス運輸状況の推移グラフ(走行キロ数・乗車人員総数・定期券利用者の推移)【クリックで大きく表示】

すこぶる順調に減り続けています!!

上図は、福山市の統計書『統計ふくやま』の各年版に掲載される「バス運輸状況」・「車種別自動車台数」と「住民基本台帳人口」の表から所要の数値を抽出しまとめた下表のうち、“走行キロ数”と“乗車人員”の数値を複合グラフで表したものです。
これと同じ複合グラフは、『統計ふくやま 昭和63年版』から『同 2003年(平成15年)版』まで、「運輸・通信」の扉ページに、その直近の数年度分ずつが示されておりますが、その後は掲載されなくなっています。
“乗車人員総数”の右肩下がりは火を見るよりも明らかで、特に2006年度以降は、乗車人員総数を走行キロ数で除した(÷)数値が1にも満たない状況が続いているようです。
[なお、『統計ふくやま』の「バス運輸状況」の数値には貸切に関するものは含まないとされていることから、路線バス事業者において廃止された不採算路線の運行継続を、福山市が貸切バス事業者(=路線バス事業者)に委託し(バスを貸切って)行った廃止路線代替バス(いわゆる旧21条バス)の数値は除かれていると考えられ、その移行により数値が減少しているということもあるのかもしれません。]

福山市における路線バス運輸状況と人口・乗用車保有台数の推移表【クリックで大きく表示】
福山市の統計書においては、1986年発行の『(第2回)福山市統計書 昭和60年版』で「バス運輸状況」の表が初めて掲載され、1980年度以降の各年度ごとの数値を把握することができますが、『統計ふくやま 1995年(平成7年)版』[1990〜94年度の数値を掲載]まで記載されていた1991〜94年度の各数値が、『同 1996年(平成8年)版』[1991年〜95年度の数値を掲載]で改められており、1990年度以前の数値の現在への連続性が絶たれているという理由から、ここ20年間の数値のみをまとめるに留めました。

福山市における路線バス運輸状況の推移グラフ(在籍車両数・1日平均運転台数・1日平均乗車人員の推移)【クリックで大きく表示】
上図は、福山市における路線バス運行事業者4社の“在籍車両数”・“1日平均運転台数”と“1日平均乗車人員”を複合グラフ化したもので、車両数・運転台数に比べ乗車人員の減少幅が大きく、トラック運送会社において運ぶ荷物が少ないのに多くのトラックを無駄に抱えているような状況が続いています。

福山市における乗用車保有台数と人口の推移グラフ【クリックで大きく表示】
上図は、上表の人口欄「旧市→新市」列と乗用車保有台数欄の各列に記載の数値を複合グラフ化したもので、人口増加率以上に、市域における乗用車保有台数が年々増加してきたと見て取れます。

福山市は、日本鋼管福山製鉄所(現 JFEスチール西日本製鉄所福山地区)を誘致したことにより、昭和40年代以降、急速に企業城下町として都市化するとともに、就労者の住宅地(ベッドタウン)建設が郊外地域で進められドーナツ化したため、交通手段において自動車への依存度が大きく、県内他市に比べて乗用車普及率が進んでいると言われています。

上表や上図に示した乗用車保有台数のすべてが個人所有という訳ではなく、それには法人(事業所)所有やタクシーなどの台数も多く含まれますが、また一方では、個人の交通手段としては乗用車以外にも軽四輪貨物車(台数減少傾向)や原動機付自転車(台数減少傾向)・二輪車(台数増加傾向)などの他種車両も使用されていることから、それらを相殺し、ここでは、路線バスのライバルは乗用車であるとの位置付けで、乗用車保有台数は増加し、路線バス乗車人員は減少しているという状況をご覧いただきました。

下図は、その乗用車普及率と車種別保有率を複合グラフ化したもので、ここ20年間で普及率が約3人に1台から約1.8人に1台となり、車種別保有率では、2007年度において軽四輪乗用車の台数が小型乗用車の台数を上回り、2010年度で40%を超えており、軽四輪乗用車増加と路線バス利用者減少の相関関係が浮き彫りとなりました。
福山市における車種別乗用車保有率と乗用車普及率グラフ【クリックで大きく表示】

みなさまも、お住まいの都道府県や市町村の統計書などを分析され、ある日突然に身近な路線バス事業者が路線廃止あるいは廃業し通勤・通学その他の交通手段が奪われることのないよう、注意を払われてはいかがでしょうか。

ちなみに、福山市の統計書は、中央図書館と市役所本庁舎3階の情報管理課で閲覧可能です。また、直近の2007年(平成19年)版から2011年(平成23年)版に掲載のデータ(2002年度〜10年度のデータ)は、福山市ホームページの「福山市の統計」のページにも掲載されています。
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